犬猫のためにできること 犬猫殺処分問題について、

ペットを家族として迎える前に考えること


 

 

 

日本全国犬猫の殺処分数4万頭以上という現実

 

ペットショップでの展示販売

まるでモノのように売れなければ割引セール、命を売るということは必ず売れ残りが生じます。

買い物ついでにちょこっとペットショップに立ち寄って、

「かわいいから」と軽い気持ちで犬猫を購入し 実際飼ってみたらこんなはずじゃなかった、

と飼育放棄をする飼い主が後を絶ちません。

また、地域によっては飼い犬の放し飼いや避妊去勢手術をしないなど

モラルの意識の低さから保護施設に収容される犬が減らない現状です。

 

 

売る側にも問題が?

ここでご紹介するのは、ペットショップで犬を購入した飼い主さんや

ペットショップに立ち寄った友人の実際にあった話です。

小型犬を飼いたいなという思いからペットショップに足を運んだ現在小型犬をパートナーに迎えた飼い主さん、

店員が「小型犬はお散歩いらないですよ~」「家の中で歩くだけでも運動になりますから」と…

そして、犬が欲しいと思っていた友人が何度かペットショップに足を運んでいたときのこと、

店員が仔犬を抱え出てきました。

友人の子供に 「ワンちゃんが~ちゃんのお家に行きたがってるよ」と。

 

散歩がいらない犬なんていません。

犬の問題行動と言われている、吠え、物への執着(破壊癖)、粗相など、、

散歩をすることは、犬の精神を安定させることにつながります。

そういった人間にとって望まない行動を改善できるとても重要なことの一つなのです。

 

犬に関する知識のない初めて犬を飼う人だったら、忙しいから お散歩は行ってあげられないが、

小型犬で散歩が必要ないのなら飼っても良いと捉える可能性もあるでしょう。

実際にその飼い主さんは飼う上でそのことを条件として

犬を迎え入れました。

店員のモラルの欠ける一言で安易に犬猫を購入し、こんなはずじゃなかったと飼育放棄に繋がる可能性もあるのです。


他国の犬猫保護シェルター

 

動物の権利が守られている国ドイツについて

動物の保護施設ティアハイム、東京ドームの3個分の敷地面積の広大な敷地に広がるティアハイムベルリン。

保護施設に連れてこられた犬猫は殺処分はされず、最後まで面倒をみる。

ドイツではペットショップから犬猫を購入するのではなく、こうした保護施設から犬猫を迎え入れるのが一般的なのです。

そして個人や企業の動物に対する意識が高いため、ドイツの動物保護施設では国や自治体からの資金援助がほとんど必要がないそうです。施設の維持運営費のほとんどが寄付や遺贈により賄われています。日本の保護施設の犬猫の保管期間は長期間保護すると費用が掛かるからという理由で3日~7日が一般的だと言われています。(すべての保護施設ではありませんが)

 

 

 

ドイツ保護施設の猫棟の例

ガラス張りの広々とした個室に外からの光が差し込む清潔感のある部屋に猫が数匹で過ごす猫棟。

個室、大部屋ともに室内とテラスに出られるように猫用の穴があり、ベッド、おもちゃ、爪かき、キャットタワーが備わっています。

 

 

保護施設で過ごす持病の猫

持病の猫は仲間と過ごすのではなく個室が与えられ過ごしています。

この猫には毎月定額を治療費とし支援する市民の「スポンサー」が付いているそうです。

 

 

元野良猫の棟

通用野良生活が長く人間に慣れていない警戒心の強い猫は、去勢避妊手術をした後は元の場所に戻すそうですが

元いた場所の環境が住むのにあまり適していないと判断した場合は保護します。

元野良猫は大きな草むらで過ごせることができ、自分たちのお気に入りの場所、草やかごの中でゆったり丸まって心地よい空間の中で過ごしているようです。

<参考URL>ドイツ最大の動物施設を訪ねて

<http://www.jiji.com/jc/v4?id=2013tierheim_berlin0002>(アクセス日:2017/3/15)

 

 

日本とドイツの動物愛護の面で見たときに、

ドイツは上記の内容からわかるように「動物福祉国」「動物先進国」です。

一方日本はどうでしょうか?ドイツのように保護施設の設備も整っていません。多くの保護施設が運営資金集めにとても苦労されています。

ドイツでは国民一人一人が動物に対するモラルの意識が高いのに対し、

日本では動物の命を粗末に扱うブリーダーが存在することや

飼い主のモラルの低さが原因で野良犬野良猫の数がなかなか減らない現状もあります。

動物の権利に対する意識がドイツとはほど遠い日本

今現在動物後進国の日本、いつか必ず他国のように動物福祉国になることを信じています。

 

 

「動物の権利」を大切にする国ドイツ

日本も近い将来、より多くの人が今の現状に関心を持ち、

ドイツをお手本に動物の福祉国となることを願います。

 

 

 

 

 

以下(公益団法人動物環境・福祉協会Eve)より

 

 

動物の立場で考える

ペットショップの仔犬や仔猫はどこでうまれどのようにお店にやってくるのでしょうか?

ペットショップに並ぶ仔犬や仔猫の親(繁殖犬、繁殖猫)は可愛がられることもお散歩もありません。

繁殖場の狭くてかたいケージの中で一生を過ごします。

何度も何度も可能な限り、子供を産む道具として無理な出産をさせられます。

大量に売らないと、ペット生産業者が儲からないからです。

 

 

小さい方が売れるからという理由で赤ちゃんを母親からすぐにとりあげてしまします。

お母さんのお乳が必要なのに...

 

 

本来、仔犬や仔猫は、兄弟たちと遊んだり母親とふれあうことで、多くのことを学びます。

小さいうち(生後8週齢未満)に母親や兄弟と引き離されると将来の健康や性格に悪い影響を及ぼします。

 

 

小さいうち(生後8週齢未満)に母親や兄弟と引き離されると将来の健康や性格に悪い影響を及ぼします。

 

 

まだ抵抗力のない仔犬や仔猫にとって長時間の移動は過酷です。この間に命を落とす子もいます。

 

 

オークションでペットショップに落札された仔犬や仔猫は、狭いショーケースの中で、一人ぼっちで昼も夜も過ごします。

本来ならお母さんや兄弟と安心して楽しく過ごせたはずなのに...

 

(公益団法人動物環境・福祉協会Eve)より

 

衝動買いはしないでください。飼う前に最後まで責任をもって飼えるかもう一度よく考えてください。

 

 

 

動物を飼う前に…

動物を飼うというこは楽しいことばかりではありません。

犬を飼ったらしつけをしなければならなし

疲れていたって散歩にも行かないといけません。

 

トイレだって失敗することもあるし、モノを壊されることだってあります。

しつけをきちんとしないと、吠えたり、噛んだりすることもあります。

動物を飼う前の楽しい光景とは違う予想外のことが起きることもあります。

こんなはずじゃなかった…と。

 

忙しいから「散歩やしつけはできない」という人はもう一度、最後まで動物の面倒をみられるかどうかよく考えてください。

犬が噛んだ、吠えてうるさい、うちのバカ犬が! 動物の習性を理解できない人は動物を飼わないでください。

人間の都合を押しつけるのではなく、彼らの気持ちも尊重してください。

 

動物を飼うって色々と気を配らなければいけないこともあります、お金もかかります。

動物を家族として迎え入れる前に、犬や猫の習性や良いことも悪いこともあるんだということを勉強してください。

動物を飼う前に動物の習性や家族に迎えた後のこれから起こるであろう出来事を理解し、それでも飼えるという自信と覚悟があれば家族として迎え入れてください。

 

 

 

私達にできること

●ペットショップからではなく、動物保護施設から迎えるという選択肢もあります。

●「動物を飼ったら最後まで面倒をみる」という責任をもってください。

●犬猫を迷子にしない。

●犬の鑑札をつけることは必須です。これにより迷子になって保健所行になることを防げます。

●事情で動物を飼えなくなったら新しい家族を探してください。

 

H26年H27年、保護犬猫の現状は劇的に変わってきています。

保護活動されている方々や政府の愛護法の改正など、

(自治体は飼い主による犬猫の持ち込みについて、その引取りを拒否できるようになった…平成25年9月より)

「殺処分ゼロ」に向け前進しています。

 

1日多くの犬猫たちが殺処分されている現状ですが、保護団体やボランティアの方々の絶え間ない努力により

保健所から犬猫を引き出し、新しい家族を探すために里親募集を呼びかけた結果、毎年殺処分数は減少になりつつあります。

それでも日本全国4万頭以上の犬猫が殺処分されています。

 

 

ではどうしたら殺処分ゼロを実現できるのでしょうか?

 

 

 

環境省の「ペットを飼う覚悟と責任」の動画の内容をご紹介します。

 

 

 

ペットを飼う覚悟と責任

●保護施設に持ち込まれる犬猫を無くさない限り問題は解決しない

●持ち込まれる数を減らすためには「すべての方が最後まで責任をもって努力して終生に飼うことが重要です

●そのために飼い主がすることとは…

①逃げ出し防止ーリードや首輪の点検(古くなっていないか確認をする)

②ケージや扉の閉め忘れがないか確認する

●万が一の逃げ出しに備えて、自分のペットであることを明確にしておくこと

●鑑札や狂犬病注射済票のほか、すぐに飼い主がわかるよう迷子札やマイクロチップを装着しておくこと

●ペットが増えすぎて飼えなくならないようにすること

 

 

必要に応じて不妊去勢の措置を行う

●飼い始めたら、最後まで適正に飼うこと

動物がその命を終えるまで、適正に飼う

その自信と覚悟が無ければ、「飼わない」ことも犬猫に対する愛情

●万が一に備え、犬や猫を預けられる人をみつけておくことも必要

●愛護動物を遺棄・虐待した場合、100万円以下の罰金

●犬や猫などのペットを飼うためには、覚悟と責任、努力が必要

 

 

ペットを飼おうとしているあなた

「ペットの命をあずかり最後まできちんと飼える自信と覚悟がありますか?」

ペットを飼っているあなた

「ペットの命をあずかる責任を果たせていますか?」

 

1日270匹近くの犬猫殺処分数

この現状をゼロにできるのでしょうか?

 

2011年犬猫殺処分数が全国でワーストを記録した広島県。

「殺処分ゼロ」を目指す広島の保護団体NPOピースウィンズ ジャパン。

2013年秋から「広島県の犬猫殺処分10000日計画」を目指し、2016年4月以降には

広島県の殺処分対象の犬すべての引き取りを開始し、犬の「殺処分ゼロ」を今でも続けています。

 

 

 

私達にできる応援

●500円からできる募金に参加することができます。

●動物保護施設では新しい家族を待つ犬猫がたくさんいます。ペットショップではなく動物保護施設から迎えるという選択肢もあります。

●動物保護施設(シェルター)のサポーターになる

●シェルター(動物保護施設)のボランティアとしてのお手伝いをする。シェルターでは人手不足により随時ボランティアを募集しています。

 

 

一人一人の小さな力がやがて大きな力となり助かる命があります。

動物は今は飼えないけど何か力になりたいという方は動物保護団体に手を貸していただけませんか?